大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)547 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人弁護士永石光雄の上告理由第一点ないし第三点について。

原判示の事実関係の下において、上告人ら五一名は本件山林の所有権を昭和二六

年九月末日の経過とともに時効によつて取得したが、現在なおその取得登記を経由

していないから、本件山林の元来の所有者Dから家督相続によつてその所有権を取

得したEの死亡後その遺産相続によつてその所有権を取得した被上告人ら(但し被

上告人Bを除く)から昭和二八年五月一〇日売買によつて本件山林の所有権を取得

し同月二六日その登記を経由した被上告人Bには前示所有権の取得を以て対抗でき

ないし(昭和二年一〇月一〇日大審院第一民事部判決、民集六巻五五八頁以下、参

照)、延いてその前主であるその余の被上告人らに対しても右所有権の取得を主張

し得ない筋合であるとの趣旨を示した原判決の判断は正当として是認する。そして

右の場合被上告人Bが上告人らの右時効取得の事実を知つており、所論にいわゆる

悪意であつても上告人らが被上告人Bに対抗できないことにおいては何らの変りな

く(大正一〇年一二月一〇日大審院第三民事部判決、民録二七輯二一〇三頁以下、

参照)、また被上告人Bが前示取得登記前に本件山林の所有権の帰属に関し論議交

渉したからといつて右にいわゆる第三者に該当しないものとも云い得ない。(なお、

以上の次第で原判決は民法一七七条に由来する筋道を述べただけであるから上告人

らの所有権を侵害したものと断ずべきでないことは勿論であり、従つて所論違憲の

主張はその前提を欠くものと云うべきである。)

所論は叙上に反する独自の法律論の下に原判決に所論違法のかどあるが如く主張

するものであるから採るを得ない。

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よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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